日本語の特徴と難しさとは何か
日本語の特徴を完結に挙げれば、それは「敬語」「オノマトペ」「季節感を示す豊富な語彙」の3つになります。
この3つは日本語における最大の特徴であるとともに、習得をするときに最も大きな障害になる部分でもあります。
ここ最近では海外からの就労者が増えたこともありコンビニやファミレスの店員さんに外国人が就いているところをよく見かけます。
笑い話として言われることもありますが、そうした人たちの中には敬語をうまく使えない人も多く、訪れたお客さんに対していきなりタメ口をきいてきたり、乱暴な言葉遣いに聞こえる「ない」「できない」といった直接的な対応をされてしまうことがよくあります。
しかしそれは裏を返せば私達は普段の生活の中でごく自然に敬語を使用しており、またお店などでは相手が当然にそれをしてくれるものという意識があることを示しています。
海外から日本に来た人の多くはこの「敬語」文化には大変戸惑うらしく、自分にはそんな気は全くないのに相手を怒らせてしまったりするが怖くてうまく日本語が話せないなんて人もいるくらいです。
日本語独特の「オノマトペ」
「オノマトペ」とは、「擬声語(擬音語・擬態語を合わせたもの)」と言われることもある、日本語独特の表現方法です。
もともとは古代ギリシア語にある「オノマトポイーア」という言葉が語源になっているものですが、特に日本語においては非常に広範囲の言葉がこのオノマトペとして存在しています。
わかりやすい例で言えば、犬やネコの鳴き声を「ワンワン」や「ニャーニャー」と表記したり、心臓の音を「ドキドキ」、物の割れる音を「ガチャン」と示したりするといったようなものです。
私達はなんとなく犬はワンワンと鳴くものと自然に思い込んでしまっていますが、実際に犬が鳴く声を聞いてみれば決して「ワンワン」だけではない鳴き方をしていることに気が付きます。
日本語のオノマトペを最もよく示しているのが漫画文化で、それらには擬音語や擬態語が効果的に使用をされているところを見ることができます。
英語や海外の言語にもオノマトペはいくつか存在してはいるものの、日本語ほど豊富な数がある言語は他にはなく、それらを覚えるだけでもかなり外国人は苦労をするようです。
日本の繊細な気候を示す言語文化
それと最後の特徴となるのが、日本語独特の気候や感触を示す豊富な語彙です。
これは言うまでもなく日本の伝統的な文学作品である短歌や俳句のために生み出されたものです。
例えば「雨」を示す言葉だけでも、氷雨・五月雨・時雨・冷雨・驟雨・瑞雨・小糠雨など挙げればきりがないほどの種類があります。
単に強い雨、弱い雨といったことだけでなくその雨が降る時期や様子、そのときの景色など空気感までもを一言で示すことができる言語があるということは、誇るべき豊かな感性を過去の日本人たちが持っていたということでもあります。